8. 日本の食料問題を解決する

食料自給率の向上

日本の食料自給率は、昭和35年度(1960年度)の79%から減り続けて、2018年では38%になっている。我が国の農産物輸入は、円高の進展や世界的な貿易自由化の流れのなか、国内の食料需要の増大、食生活の多様化の進展等を背景に、質・量ともに大きく変化を伴いながら増加し、2005年には4兆7,922億円、2006年には過去最高となる5兆41億円に達している。途上国を中心に人口増加、所得向上により、更なる世界の食料需給のひっ迫となり 輸入食料の奪い合いや輸出国による食料の囲い込も行われ、国内の食料供給基盤が脆弱なほど、 国民への食料の安定供給に支障が出る可能性が大きい。食料自給率向上のための支援や備蓄の確保、不測時に備えた体制整備 を進めること。

日本の食を守る

農林水産省は、国内で開発された農産物の新品種保護の強化に向けて種苗法を改正した。
種苗法改正の目的は、日本で作られた新品種の海外流出を阻止し知的財産権を守ることが目的であり改正案では、品種登録の出願時に輸出してもいい国や国内で栽培を認める地域を指定できるようになることや、これまで認められていた農家の自家増殖も許諾が必要となり、育成者の権利が強化される。
しかし今回の種苗法改正によって、これまで国内の農家が伝統種を守るために採種してきた、自家増殖も安心してできなくなる可能性が指摘され、遺伝子組み換えやゲノム編集した農作物に対する懸念とともに、日本の食を守る上での危機も指摘されている。
TPP協定や米国との協調によって農業の分野も民間に開放する流れが強まるとともに、安定した食の供給や自給率を維持するためには、開放と同時に、日本の農業が戦っていける備えをするべきであると考える。
有機農業実施面積は少なく消費者の意識はまだまだ十分とは言えず、食育に着目した観点を含め、まずは兵庫から有機農業の生産拡大に向けて、消費者意識の啓発と販路拡大の取組を推し進めていきたい。